昨日は勢いで熱いことを書いたような気がする。最近、布教活動をやってなかったので、少し頑張ってみた。やってしまったが後悔はしてない…。
自分は本当はオフロード好きというより、ビッグオフローダー好きで、ラリー好きというより、ラリーマシン好きなのかもしれない。きっと、ツインのビッグオフ=ラリーマシンのイメージがその嗜好の起源になっているんじゃないかな?
ひと昔前のビッグオフといえば、ラリーレプリカ…のイメージだけ持ったマシンであった。そう、あくまでイメージだけのツーリングマシンというのがその正体だった。それでも人気があるジャンルで世界のメーカーから市販された。しかし、時代は移り変わり、2気筒マシンはFIMラリーから閉め出され終焉を迎えた。同時に今までのビッグオフはほとんどがストラーダとなり、ものによってはスポークホイールを捨てキャストホイールになったモデルもある。モチーフとなったラリーマシンの終焉に合わせたように人々の嗜好や環境問題でオフロードマシンと呼べないモノに変化して行ったのだ。そんな逆境の中の最後の落し子がKTM 950ADVだ。これこそが最初で最後の市販された本物の2気筒のラリーレプリカ(レプリカなのに本物って…?)であろう。当時のその存在は衝撃的で、ラリーマシンファンには心惹かれるものがあった。
しかしながら、初代のKTM 950ADVから年式が新しくなる度にサスペンションストロークの減少が見られた。950ADVにはサスペンションストロークの長いSタイプがあり、それがまさにラリーレプリカそのものだったが、それさえも年を追うごとに短足化進んだ。現状ではもはやラリーレプリカと呼ぶにははばかられるダックスフンドとなった。
なぜ、このような現象が起きたかというと、実の問題はBMWのGSの存在にある。GSにも過去を遡ればパリダカモデルと呼ばれるビッグタンクのバリエーションがADV(アドベンチャー)と呼ばれるモデルに進化した。そのマシンが新しいジャンルとなったのだ。当初、TOURATECH等のパーツを使って作られていたに過ぎないマシンたちがメーカーの後押しで一気に大きな市場として拡大。KTMはLC8に同じサブネームを付けたが、実は当初は全く本質の違う代物だった。人気のR1200GSADVに対して売れないKTM950ADV…だからこそ、KTMは軌道修正をして短足化を謀った。最初、KTMはBMWが作った「アドベンチャー」と呼ぶジャンルを良く理解していなかったのだろう。もっともおかげで僕らは一瞬でも素晴らしいマシンに出会えたが…。
この「アドベンチャー」というジャンルは、「メガオフ」と同様に従来ビッグオフと呼ばれたモノたちに替わる存在である。ただし、大きく変わったわけではなく、むしろ誰にでもわかりやすくなったものが「アドベンチャー」というものかもしれない。
またまた勝手に定義させてもらうと「アドベンチャー」とはビッグタンクとフェアリング、そしてパニアケースを持ったモデル。そして、ちょっとだけサスペンションストロークも伸ばしている。まさしく冒険という記号を具現化したものだ。ヨーロッパ人がサハラにツーリングに行くための仕様とも言える。まあ、本当に行く必要もないんだけど。日本じゃ北海道くらいしかいけないし。とりあえず「ユアン・マクレガー 大陸横断バイクの旅」を見て下さい。
まあ、とにかく記号ですよ記号。ビッグタンクだって、でっかいパニアだってサスアップだって記号の一部。記号、記号と連呼したからと言って否定している訳ではない。本質から生まれた記号なんで、卑屈になる必要もない。自分ははっきり言ってこのスタイルが好きだ。なにをするにもその気にさせる雰囲気は重要だと思う。おそらくは日本メーカーいずれはこのジャンルにモデルを投入してくるであろう。なぜなら、そうさせるほどBMWが売れているから。
とにかく、ここ数年でビッグオフが良い方向へ活発化したと思う。僕らにとって良い方向とはオフロードをきちんと走れるバイクだってこと。ビッグオフ乗りはいつもいつもそのジレンマを戦って来た訳で、最近では一時の暗雲が嘘のように晴れた…その下地を作ったのがアドベンチャーであり、おかげでメガオフ売ることが出来るようになったと言えるんだけどね。
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これで話は一周したか?